1997-05-28 ArtNo.10643
◆<星>ナットスチール、鉄鋼ビジネス拡張でUS$1.9億調達
【シンガポール】ナットスチールLtdは、鉄鋼事業の拡張に充当するため償還・転換可能追加型優先株(RCCPS)の発行を通じ1億9000万米ドルを調達する。
ナットスチールが26日発表したところによれば、調達した資金の内8500万米ドルはブラジルの鉄鋼会社Aco Minas Gerais SAの権益買収に、残りは既存債務の返済、運転資金、将来の投資に当てられる。
ナットスチールはAco Minas Gerais権益の買収により、後者のアジア向け鋼材輸出業務を引き受けるとともに、それ自身の原料を低コストで手に入れることができる。しかしながら同買収計画には、依然として様々な不確定要因が存在するため、その実現の保証はない。同取引が実現するまでの間、8500万米ドルの資金は短期金融商品に投資されると言う。
消息筋によれば、いわゆる将来の投資資金の大きな部分も鉄鋼ビジネスに投じられる見通しだ。これはグループの電子部門ナットスチール・エレクトロニクスLtd(NEL)が数週間後に公募上場を予定しているため。年商約10億Sドル、税引き前利益約2000万SドルのNELは、世界最大規模の電子契約製造業者に数えられる。
ナットスチールは域内の不動産ビジネスや建材貿易に一部の資金を充当する可能性が有る。
RCCPSは資金調達コストの引き下げに役立つだけでなく、自己資本比率を高めるため、別途新たな資金を借り入ることも容易にする。(ST,BT:5/27)
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