1997-05-26 ArtNo.10616
◆<星>国会議員、観光問題でマレーシアに反論
【シンガポール】シンガポール当局がシンガポーリアンのマレーシア観光を制限しているとのマレーシア政界指導者の発言やマスコミの報道が、シンガポールの英字紙や華字紙に毎日転載されているにも関わらず、シンガポール政界リーダーは概して沈黙を守ってきたが、23日にはバックベンチの国会議員が、同問題に控えめな反論を試みた。
国会内務・司法委員会議長を務める荘煕国(Chng Hee Kok)議員はこの日ブド・ノース・アベニュー4の公共住宅で催されたグラス・ルーツ・リーダーとの会合の席上、マレーシア側が言う当局がシンガポール政府を指すものなら、マレーシアの非難に根拠はなく、またシンガポールの学校が休暇中も宿題を課して、生徒のマレーシア旅行を妨害していると言った事実も存在しないと指摘した。しかし、シンガポールの基層リーダーらは、両国関係の最近の波紋で、旅行中にマレーシアで冷遇されたり、団体旅行の募集定員が満たされないのを恐れて、マレーシア観光に消極的になっている可能性はあると言う。
マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズ(NST)は22日、インドネシアとタイの通関前にたむろしたシンガポーリアン旅行者にリー・クアンユー上級相を暗示する人物が避妊具を配っている漫画を掲載、シンガポール紙は同漫画をそのまま転載したが、荘議員は、こうした漫画はシンガポールだけでなく、インドネシアやタイの名誉も傷つけるものだと指摘した。
一方、この日地裁は、両国間の波風の原因になった野党工人党(WP)前国会議員候補タン・リャンホン氏に対するリー・クアンユー上級相を初めとする与党リーダー11人の名誉毀損訴訟で、タン氏が英国勅撰弁護士を代表に立てることを承認した。しかし、ブレンダ・タン判事は、ジョホール州の治安問題を巡るリー・クアンユー上級相の発言を法廷宣誓書から削除した際の法廷費用の支払いをタン氏に命じた高裁判決に対する不服に関しては、改めて上訴廷に訴えを提出するよう指示した。(ST,BT,LZ:5/24)
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