1997-05-26 ArtNo.10611
◆<星>通産省、先進国への格上げ巡り声明
【シンガポール】国際通貨基金(IMF)は23日、シンガポールを今年から、香港、台湾、韓国、イスラエルと共に先進経済体に加えると発表したが、シンガポール通産省は直ちに、シンガポール経済はまだ先進経済体としての深さと広がりを備えていないと声明した。
それによると、IMFは、国民の平均所得、経済の多様性、金融業の成長の3点を基準にしているが、これらは先進経済体の全ての条件とは言えない。例えば中卒以上の教育を受けたシンガポール労働者は全体の31%に過ぎず、米国の89%、日本の78%、韓国の60%に及ばない。シンガポールの科学技術の大部分は自前のものではなく、フォーチュン500に名を連ねるようなシンガポール企業は1社も存在しないと言う。
IMFはこの日の声明の中で、シンガポール等の先進経済体への昇格は便宜的なもので、これらの国の拠出金や借り入れ条件等のステータスには影響を及ぼさないとしている。
IMFのワールド・エコノミック・アウトルック報告書は、シンガポールの公共支出と民間投資は今年下降するものの、外需の改善で、経済成長率は6.6%に達すると予想している。これは台湾の6%、韓国の5.6%、香港の5%を上回り、新興工業経済地域(NIES)のトップに立っている。しかし来年の成長率は台湾/韓国の各6.3%を下回る6.1%にとどまると言う。(ST,BT,LZ:5/24)
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