1997-05-23 ArtNo.10592
◆<印度>日立、JCTエレクトロニクスへの支援強化
【ニューデリー】M.M.Thapar氏のJCTエレクトロニクスLtdに対する7%の持ち分を拡大する計画に進捗は見られないが、日立はJCTの決断を気長に待つ一方、支援を強化する構えだ。
これ以前にカラーTVブラウン管の製造に関わる8年間の技術支援協定の更新を認めた日立は、JCTの4000万米ドルの海外商業借款(ECB)を原則的に受け入れた。同借款は高金利(約21%)の既存ターム・ローンに置き換えられる。JCT幹部によると、変動金利/固定金利/転換可能ファシリティー等の選択は今後詰められる。
いずれにしてもJCTはVadodraのカラーTV工場(総コスト220クロー)建設のために取り入れた借款の金利負担を早急に軽減する必要が有る。JCTは、今年度5クローの利益を見込んでいるものの、96/97年度の22クローの利益から赤字に転落する可能性も予想されている。JCTが赤字を免れるためには、カラーTVブラウン管の国内販売を昨年68万2000台から120万台乃至130万台に引き上げねばならないが、同社は輸入関税の引き下げに伴う安価な輸入品の他、操業を再開したUptronやホットラインLGの新工場との競争にも晒されている。
金利コストの軽減策としてのエクイティー・ファイナンスは、株価が低迷(1株10ルピー)している現状では、Thaparsファミリーの35%の持ち分引き下げに見合ったメリットをもたらさない。同ファミリーが、日立の出資拡大要求受け入れに消極的な理由もその辺に有るようで、JCT筋は1株30ルピーの帳簿価格が交渉の出発点になると指摘している。(IE:5/22)
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