1997-05-20 ArtNo.10548
◆<星>海水淡水化プラント建設準備
【シンガポール】シンガポール政府は安定した水供給を確保するため海水淡水化プラントの建設計画を実行に移すもようだ。
リー・シエンロン副首相は17日、政府は恐らく海水の淡水化計画を実行することになるだろうと語った。この日全国教育計画のオープニング式典で挨拶したリー氏によれば、ジョホールからの水購入契約2件は2011年と2060年に期限が切れ、シンガポールは起こり得る様々な事態に対処する準備を整える必要があると言う。
ドイツのコンサルタント会社Fichtner GmbHは最近公益事業局(PUB)に海水淡水化プロジェクトの事業化調査と工学調査の報告書を提出した。昨年5月にPUBにより関係調査を委ねられたFichtnerは、同報告書の中で、淡水化プラントの所在地として、チャンギ、トゥコン島、ジュロン島、ブシン島南部の埋め立て予定地、トゥアスの2カ所を提案した。この内トゥアスの1カ所だけが、直ちに使用可能で、他の候補地は埋め立て造成を必要とする。PUBは既にトゥアスの発電所建設地に隣接した当該用地にフェンスを巡らして準備を進めており、同局は今年第3四半期に同地にパイロット・プラントを設ける提案書を政府に提出するものと見られる。
海水淡水化プラントは海岸に近いことの他、エネルギー集約事業のため、発電所に隣接して設けるのが理想とされる。この種のプラントの建設には40カ月を要し、仮に政府が今年末に建設の方針を決めれば、1200MW(メガワット)のトゥアス発電所の第2期工事が完成する2001年4月前後には、パイロット・プラントも完成、シンガポールが淡水化プラントを必要とすると政府が予想する2003年乃至2004年にもちょうど間に合う。(BT,ST,LZ:5/19)
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