1997-05-14 ArtNo.10474
◆<星>2000年までにLNGターミナル建設に着工も
【シンガポール】シンガポールの天然ガス需要は2005年には5億~6億スタンダード立方フィート(SCF)に達し、パイプラインでマレーシアとインドネシアから輸入される天然ガスの総量を超過することから、2000年前後には液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設に着手する必要が生じる可能性が有る。
大阪ガス当地事務所のオカ重役(GM)によれば、シンガポールは最近インドネシアと2000年から22年間にわたり日量3億2500万SCFのナトゥナ・ガスを輸入することで合意したが、これにマレーシアから輸入される日量1億5000万SCFを加えても、4億7500万SCFに過ぎない。しかもマレーシアからの輸入契約は2007年で期限切れになる。2000年以降、マレーシアとナトゥナからどれほどのガス供給を受けられるかが鍵だが、ナトゥナのガス供給能力は決して大きくない。
大阪ガスは目下シンガポール政府のために発電用及び都市ガス用に天然ガスをパイプラインもしくはLNGの形で輸入する事業化調査を進めている。同調査は7月乃至8月に完成する予定だ。
仮にパイプラインによらずにガスを輸入するとなると、シンガポールは2000年前後にLNGターミナルの建設に着手する必要がある。これはこの種のターミナルの建設には6~7年を要するためで、コストは10億米ドル余と見積もられる。LNGターミナルは一般に年間200万トンの処理が可能で、これは日量2億5000万SCFに相当する。
LNGターミナルはパイプラインに比べコストが嵩む。例えばナトゥナ・ガス田から480キロのパイプラインを敷設するコストは3億米ドル強と見積もられる。一般に海底ガス・パイプラインのコストは1キロ当たり約50万米ドルだが、海上交通が頻繁なシンガポール近海では、船舶の投錨に伴う損傷を防止するため、5~10倍のコストがかかる。したがってインドネシアが担当する432キロ分のコストが2億1600万米ドルなら、シンガポールが負担する48キロ分のコストは1億米ドル以上になると言う。(BT:5/13)
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