1997-05-07 ArtNo.10389
◆<星>タン氏、名誉毀損訴訟最中に弁護士を解雇
【シンガポール】野党工人党(WP)前国会議員候補のタン・リャンホン氏の弁護士2人は5日の公判審理の最中に、裁判官に口頭でタン氏の弁護を停止することを申請したが、正式の法廷手続きを経ていないことを理由に棄却された。
これらの弁護士は、タン氏との電話による協議の結果、タン氏から最早両弁護士の弁護を必要としないとの意向を伝えられたとして、昼食後になって初めて以上の申請を行った。
両弁護士は弁護を停止する理由として、タン氏が裁判官交替申請棄却や名誉毀損有罪判決に対する上訴を計画していること(ちなみにシンガポール高裁は、裁判官交替をタン氏に代わって申請した弁護士のジェヤレトナムWP書記長および弁護士資格を有するタン氏自身を規律審査にかけるよう法律家協会に勧告している)、またタン氏が既に英国勅撰弁護士を代表に立てる方針を決めていることを理由に掲げ、1120万Sドルの賠償請求に直面するタン氏の弁護は英国勅撰弁護士が務めるのが最適との考えを示した。
しかし原告側弁護士は、これはタン氏が正当な裁判を受ける機会を認められないことを内外に宣伝するための戦術であるとし、同申請を認めぬよう裁判官に求め、結局裁判官は申請を棄却した。
この日の公判で原告のリー上級相は、タン氏がアジア・ウィークに掲載された誹謗記事に関わる3人の中でただ1人謝罪を拒んだのは、当時から選挙出馬を決意していた証拠とし、またタン氏の選挙出馬の動機は50年代、60年代の華人ショービニズムを国会に持ち込み、シンガポールが30年をかけて築いた多民族の融和を打ち壊すことにある等と指摘した。(ST,BT,LZ:5/6)
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