1997-05-06 ArtNo.10373
◆<星>CAM監査人、帳簿上の疑点を大蔵省に報告
【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場の電子企業CAMインターナショナルの監査人、アーネスト&ヤングは先月29日、CAMの帳簿上の疑点を大蔵省に報告した。
CAMが先週金曜発表したところによると、会社法207条(9A)の下、公開企業の監査人は当該企業の職員により企業に対する深刻な不正行為がなされたと判断した際には大蔵大臣に報告する義務がある。しかしCAMの取締役会は、まだ大蔵省に提出された報告書のコピーを手にしておらず、また不正がなされた事実にも気づいていない。
CAM取締役会は依然として監査人とともに1996年9月期の年次報告書の作成作業を進めており、監査人から提起された、1)取引借り方勘定2394万Sドル、2)ある種の固定資産の購入に際してなされた190万Sドルの前払い、3)グループ内における完成品の取引/機械設備の社内製造に伴う未成立の利益の額、の3つの問題に関する処理を進めている。アーネスト&ヤングは現状では1996年9月期の帳簿内容が真実かつ誠実なものか否かについて、判断を示すことはできないとしていると言う。
CAMは去る3月、当地上場企業としては初めて未監査の年次報告書を発表、その後株主に同社監査人は依然として報告書の監査を終えていないため、発表した年次報告書は無視して欲しいとの異例の声明を発表していた。当該年次報告書の共同監査人(アーネスト&ヤング/チョン・キー・サン)の署名欄は空白のままだった。
CAM株の取引は4月30日以降ストップしているが、シンガポール証取(SES)は純粋な手続き上のミスとして、特に対応措置を採っていない。(ST,BT,LZ:5/5)
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