SEAnews 1997-05-05 ArtNo.10356

【シンガポール】ブルバード・ホテルを首尾良く売却した地元不動産／ホテル・タイクーンのクー・テクパット氏は、今度はオレンジ・グローブ・ロードのレディーヒル・ホテルを売りに出したが、今回の提示価格は1億8500万Ｓドル以上と一層強気で、再度市場筋の注目を呼んでいる。
レディーヒル・ホテルはオーチャード・ロードに近接した翠に覆われた住宅地に位置し、シャングリラ・ホテルと対面、隣ではシャングリラ・リージェンシー・コンドミニアムの開発が進められている。永久地権付き10万1000平方フィートの土地のプロット・レシオは1.4倍で、4階建てコンドミニアムを開発する原則認可が下りている。平均床面積1300平方フィート、80ユニットのコンドミニアムが開発できる。
立地条件からすれば、少なからぬ開発業者の関心を引きそうだが、仮にクー氏の言い値で取引が成立した場合、開発可能床面積に基づく1平方フィート当たりの土地コストは1308Ｓドルとなり、ブルバード・ホテルの1121Ｓドルを上回る。しかも同価格には800万～1000万Ｓドルと見込まれる開発税は含まれていない。1308Ｓドルの土地コストをベースとした完成後のコンドミニアムの損益分岐点の売値は1平方フィート2100Ｓドルになる。
ファー・イースト・オーガニゼーションは最近ウォールッシュ・ロードのガーデンビラを平方フィート当たり2150Ｓドルで売り出し話題を呼んだが、不動産市況が低迷する中で、アナリストらはクー氏の要求価格はあまりに強気と評している。(ST,BT,LZ:5/3)