SEAnews 1997-05-03 ArtNo.10341

【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジーは数週間以内に64ボイス・サウンド・ブラスター・カード“ＡＷＥ64”を、16ビット・サウンド・カード並みの99米ドルで市場に供給する計画だ。
クリエイティブは異なる機能の複数のチップを1枚のシリコン上に集約し、プリント基板のサイズを縮小、コスト削減を図る。クリエイティブは、こうした技術的優位を梃子にアグレッシブな価格設定を行い、ＡＷＥ64をエントリー・レーベルの大衆製品に転換、16ビット製品を陳腐化させる戦略だ。
これにより未開拓の新市場が開拓され、またサウンド・カード・ユーザーのアップグレードを促進できれば、クリエイティブは売上げと利益を大幅に拡大できる。値下げは相手先商標製造業者(OEM)市場でも、クリエイティブを優位に立たせるはずで、既にトップＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)メーカーの1社がＡＷＥ64カードを装備したＰＣの出荷を計画しているとされる。
これまで法人ユーザーはサウンド機能に関心を示さなかったが、インターネット／イントラネット・フォーンやビデオ・コンファランス技術の進歩がこうした状況を一変させつつある。こうした中で64ボイス・ポリフォニー・カードが、16ビット・サウンド・カードと同なじ値段で手に入るなら、法人ユーザーもクリエイティブの顧客に加わるはずである。
この他、クリエイティブはロー・コストのデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)ドライブやインテル最新マザーボードにマッチしたサウンド・カード新製品の売り出しも予定している。
半導体価格が回復した際には、クリエイティブのマージンに影響が出そうだが、半導体の工場出荷価格は、来年までほぼ現状レベルを維持する見通しで、このこともクリエイティブの新戦略展開に有利に作用しそうだ。(BT:4/30)