1997-04-21 ArtNo.10188
◆<星>アナリスト、揃って3月の国産品輸出のマイナス成長予測
【シンガポール】証券業界のアナリストらは揃って3月の国産非石油製品輸出のマイナス成長を予想したものの、シンガポールの電子業況が半年後には回復に転じるとの見通しを変えていない。
電子部門はシンガポールの国産非石油製品輸出の3分の2を占め、国内総生産(GDP)に12%貢献している。3月の国産非石油製品輸出に対するアナリストらの成長見通しは、ロンドン拠点の調査会社I.D.E.Aのマイナス10.6%からJMサッスーンのマイナス1.5%にわたり、平均すると-4%。国産非石油製品輸出は1月の-2.1%に続き、2月には予想以上の7.9%の落ち込みを見ていた。しかし米国における電子部品受注は2月に32%の力強い成長を記録、1月の15%の伸びを遥かに上回った。米国はシンガポールの国産非石油製品輸出の5分の2を輸入、最大の市場を成していることから、こうした米国における市況回復は6カ月のタイムラグを置いてシンガポールにも波及するはずと言う。加えて先月は台湾の電子輸出も拡大、同様な回復はマレーシアにも見られる。
とは言え、山一証券アナリストは、もし第2四半期に入っても顕著な回復が生じなければ、単なる周期的な業況不振では済まされなくなると指摘した。同アナリストは政府が重視するディスク・ドライブ産業と半導体産業に触れ、シンガポールは電子産業のある種の部門に過度に依存し過ぎている嫌いがあると語った。先週水曜には消費用電子メーカー、アイワがその製造ラインをシンガポールからインドネシアに移転する計画を発表している。(ST:4/18)
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