1997-04-09 ArtNo.10050
◆<星>DRAMチップ価格、1月以来60%以上アップ
【シンガポール】半導体メモリ・チップのダイナミックRAM(DRAM)は、今年初の6米ドルから先週の9.80米ドルに60%以上値上がりしており、昨年の不振から顕著な立ち直りを見せている。
世界半導体産業の先導役と称されるDRAMチップは昨年80%値下がり、このためシンガポール電子業の成長率も9%に鈍化した。複数の韓国企業が今年初にDRAMチップの生産を削減したことに加え、大容量メモリの新世代PC(パソコン)が登場したことが、価格の回復につながったようだ。PCのメモリ容量は昨年の平均16MB(メガバイト)から今日の24~32MBに拡大している。加えて欧州連合(EU)は半導体に最低価格制を導入、ダンピングの捜査に乗り出した。
NEC幹部は「市場コンディションは安定しており、暫くはこうした状況が維持されるだろう。市場は買い手市場から売り手市場にシフトした」と語ったが、テキサス・インスツルメンツ・アジア幹部は「現在の価格レベルは暫く維持されるだろうが、先行きについては誰も正確に予想することはできない」と指摘した。
米国の市場調査会社データクエスト幹部は、「今後のDRAMの値上がりは小幅にとどまる」と予想しており、チップ・メーカーは業界の慣行とは反対に、在庫を積み上げ、値上がりを待っていると言う。データクエストは、今年の世界半導体市場が8.4%成長し、1540億米ドルをマーク、2000年には2950億米ドルに達すると予想している。(ST:4/8)
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