SEAnews 1997-04-05 ArtNo.10006

【シンガポール】世界的規模で55％、4100人の人員削減計画を発表したアップル・コンピューター・インクは、アジア業務の再編に関してはまだ方針を決めていないようだ。
アジア拠点のアップル社幹部は、再編計画のアジア業務への影響に関して語ろうとしないが、カリフォルニア本社の指示を待機しているものと見られる。アップルはシンガポールにＡＳＥＡＮ／南アジア本部の他、45万平方フィートの工場と小規模な研究開発(R&D)施設を設けている。1500人を雇用するシンガポール工場では同社の世界生産の25％に相当するコンピューターや周辺機器が製造され、域内のマーケッティング部門には合計140人が勤務している。
シンガポールの製造／マーケッティング・チームに冗員はなく、シンガポール工場で生産されているノートブックやデスクトップＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)の売れ行きも良好なことから、域内のスタッフが整理される可能性は大きくない。アップル・スポークスマンによれば、今年3月末締め第2四半期のシンガポールにおける営業額は前期を90％、昨年同期を45％上回った。シンガポールではフルタイム・ワーカーと契約労働者が雇用されており、後者は需要に応じて増員されたり、削減されたりしている。
これまでのところ、アジア大平洋地域では、オーストラリアで165人のスタッフの内の22人が解雇されただけ。アップルのギルバート・アメリオ会長は4億米ドルのコスト削減計画の一環として同社の全世界の職員1万3400人を9300人に縮小する方針を発表しており、解雇は今月から開始される予定だ。(BT:4/4)